「目標」とはなにか──福丸小糸──

そろそろノクチルのLanding Point編コミュが追加&LW07発売ということで、その前に実装された小糸ちゃんのGRAD編について振り返ってる記事です。

というのは建前で、途中まで書いたけど完成させるの面倒くせ〜みたいなやつの消化です、すみません。消化なのでしっかりとした考察はしていませんのでご容赦ください。

あと個人の感想と妄想がだいぶ含まれますので、それを承知で読んでいただけると幸いです。

目次

 

 

 

いつかとべるように

タイトルは一見上向きな小糸の気持ちが現れているように思えますが、どちらかというと不安な感情が強かったコミュでした。

自分のやっている練習は「なんのためでもない」練習ではないのかと疑問を持ち、ただ頑張ることで、自分の目指す「ファンに元気をあげられるアイドル」に、「ファンの応援に応えられるアイドル」になれるのかと小糸は考えます。

そんな中、浅倉の仕事の付き添いからレッスン室に戻ってくるプロデューサーからGRADへの挑戦を持ちかけられます。

ここの同じユニットの浅倉は仕事をしているのに自分は仕事をもらえず練習をしている状況は、置いていかれている自分を感じざるを得ない描写で辛いものだなぁと思いました。

GRADへの挑戦を即決する小糸の姿は、「なんのためでもない練習」ではない「なにか」のため、「結果」を残すことでファンの気持ちに応えたいという焦りが強かったように思えました。

 

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WINGコミュの記事でも触れましたが、小糸は「結果主義」なのかもしれないですね。のちのコミュでもそうですが、常に「結果」という呪縛に苦しめられているのだと思います。

 

 

 

 

空で呼吸する方法

このコミュタイトルは、GRADで戦っていくための方法、もしくはアイドルとして活動していくための方法みたいな意味だと考えました。

そのためになにが必要か、プロデューサーは「結果」だけじゃなくて「過程」も必要だと小糸に伝えたかったのだと思います。GRADにおいて、アイドル活動において「結果」はもちろん大事ですが、それに至るまでの「過程」もまた欠かせないもので、特に小糸にとってより重要だとプロデューサーは考えています。

WINGコミュ「ガラスの嘘」や「ここにおいでよ」でもあった通り、小糸の努力する姿は多くのファンを、ファンでない人も元気にする魅力があることをプロデューサーは知っています。

だから小糸の練習する姿をSNSに載せようと考えたのだと思いました。

セリフにもちょくちょく出てきますが、「最大限サポートする」という気持ちが強くでてしまったのかなと思います。

 

しかし小糸はそうは受け止められません。

「結果」を得るために、頑張っている姿(いわば自分の弱さ)を晒し、そしてその憐れみから応援してもらおうと、そうでもしないとGRADで、今後アイドルとして、やっていけないと感じたのだと思います。

それを自分が一番信頼している、自分のことを誰よりも理解してくれているはずのプロデューサーから言われてしまったらそれはもうショックですよ、ホントに。

 

そしてここからプロデューサーと小糸で認識のズレが明確に生じたのだと思います(ズレは最初からあったような気もしますが)。

小糸にとってGRADは「結果」を出してファンやプロデューサーの想いに応え、より多くの人に知ってもらおうとしていた目的だったのでしょう。

プロデューサーにとっては、このGRADを通して、「結果」や「過程」を見てもらい小糸の良さを知ってもらい応援するきっかけを作りたい、そしてファンの応援にも応えるという目的であったように感じます。

同じようで少し違っていて、このズレがすれ違いを生んでしまったのでしょう。

 

てかこのシーンでBGMなくなるの怖すぎてトラウマになりそうでした。

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わたし

昨日の出来事がショックで、勉強にも手が付かないまま寝落ちしてしまいます。

小糸にとってこのGRADは、「結果」を残さないといけないモノで、そのためのレッスンはもう「なんのためでもない」もので、拒否することなく「やらなきゃいけない」という一心で練習へと向かいます。

「自分の下手な練習風景を載せてまでやらないと自分では結果が残せないんだ」とそんな否定的な気持ちを持って取り組むレッスンでは当然ミスをしてしまい、どんどん負のスパイラルに陥ってしまいます。

それでも小糸はプロデューサーに頼ろうとします。こういうところはWINGからの変化ですよね。普通に涙腺に来ました。

と思ったのも一瞬で、電話での会話は見てられませんでしたね……。プロデューサーさん…って呟いてました。

ここが特にヤバかったですね。

 

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今の練習姿をさらさないといけないのか、もっとできるようになってからの姿ではダメなのか、という問いにも取れてしまって、プロデューサーの返答は結局すれ違いしてしまうわけですが(これは仕方ない)…。

 

ついに本音をぶちまける小糸、しびれましたね。電話のぶつ切りが良い味出してました。

このコミュは読み返すたびにウッってなります…。

 

 

 

 

GRAD予選

そんな状態で迎えた予選、SNSで自分の下手な姿を散々晒してまで立つこのステージ、結果を出さなくてはと小糸はどんどん追い込まれてしまいます。

勝利後のこのセリフ

 

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めちゃくちゃ辛い、勝ったはずなのに全然喜べないですよ。

敗北後コミュの方が次に向かってるって感じがしましたね、、、(GRADコミュは大体そう)

 

 

 

 

カナリヤは歌わない

このコミュ、めっちゃよくできてるなぁと思いました。

 

タイトルの「カナリヤ」というのはやっぱり小糸を表しているのでしょう。

このタイトルを見てカナリヤの生態を調べましたが、シナリオライターはよく思いつくなぁ…と唸ってしまいました。

 

非常にか弱い生き物であり、その鳴き声は美しい歌声のようで、自立心の強い、そんなカナリヤは、まさしく小糸にそっくりだなと個人的に思いました。

「カナリヤは歌わない」という表現についても諸説ありそうですが、自分的にはコミュを通して3つ意味があるのかなと思いました。

1つ目は、小糸が意思をもって自分の努力を主張したくない(謳わない)ことです。

今回のSNSのように「努力を見せたくない」という彼女の意思に反しているのは明白で、どうしてもそのやり方に対してプラスな感情はありません。それを表現しているのだと思います。

 

2つ目は、「炭鉱のカナリヤ」という用語の引用です。危険の前兆の知らせという意味です。

この言葉の由来は、昔、炭鉱を調査しようと考えた人が、人よりも毒ガス(毒素)に敏感なカナリヤを連れていき、先に毒ガスを感じてさえずらなくなるカナリヤを見て危険かどうかを判断していたところから来ているようです。

話を戻すと、今の小糸もまたその状態にあり、これ以上この状態が続けば、死、つまりアイドルとして前に進めないことを示しているのだと思います。

 

3つ目は、「かなりや」という童謡からの引用です。

作詞は西條八十さん、作曲は成田為三さんで、一部歌詞を抜粋すると、

 

 歌を忘れたカナリヤは

 象牙の舟に 銀の櫂

 月夜の海に 浮かべれば

 忘れた歌を 思い出す

 

という内容で、人の解釈によりますが

 

美しい歌声を持つカナリヤが歌を忘れてしまっても、優しく、ゆっくり、時間を与え、カナリヤの居場所を作ってあげることでまた歌を思い出すでしょう

 

と歌っているのだと思います。これをこのコミュに落とし込むと、

 

小糸にとってプロデューサーといる時間は、アイドルとして育った彼女の居場所であり、そしてその中で2人が話し合う時間を作り、お互いの心情を話すことで、また小糸は前を向いて走り出すことができるでしょう

 

とちょっと強引かもしれないですが、こんな感じに自分は解釈しました。

コミュでは、小糸が頑張る姿をあまり見られたくないことを知っていたのに、望まない方法を取ってしまい、小糸の気持ちをないがしろにしてしまったことをプロデューサーが反省し、小糸も今の自分の気持ちを伝えます。

応援してもらうきっかけとしてそういう自分の姿を晒していくことも必要であること、また、努力したり苦悩と向き合っているのは自分だけじゃない、みんなそれぞれに戦っていること…。

 

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それがわかった上でも、今の自分には「弱い部分を晒してでも自分の頑張りを見てもらいたい」といえるほどの強さがないこと…。

 

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そうやって、今の小糸の活動について、お互いの気持ちを再確認し、すれ違うことなく、もう一度一緒に前へ進もうと決断します。

 

ここの、自分の今を伝えることも小糸の立派な強さですよね。あと「おみくじ結びますか」を意識しているというか、正直読んでないとちょっと「ん?」ってなるのもオタク心をくすぐっていて非常に良いですよね(引けて本当に良かった)。WINGを想起させるコミュでもあって、よりそこからの成長を感じられてオタクスマイルが止まりませんでした。

とはいえ、こういうことって、今までなかっただけで起こりえる話ではあったとも思うんですよね。

このコミュにももちろん成長や絆も生まれているんですが、結局Pが小糸を傷つけないような立ち回りをして、小糸は籠の中の鳥で、庇護される対象のままなのかなという印象も多少はありました。

 

 

 

 

ゆううつな受動態

この福丸小糸っぽいコミュタイトル、良いですよね。「ゆううつ」という難しい漢字をあえてひらがな表記にして、中学英語でやった「受動態」を拾ってくる感じがキタキタキタwになりますよね(なるか?)

 

WING「ガラスの嘘」と同じような転換期がここにはあったなと思います。

あのときは応援に応えようと、アイドルを続ける意思をもってプロデューサーとともに一歩踏み出しました。

 

今回は、いつまでも「何か」を待ち続け、漠然と「何のためでもない練習」をすることをやめて、目標のために自分で考え、行動しようと決意しました。

 

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ここは想像ですが、ここの決意は、アイドル活動だけのことではなくて、今までの小糸の人生を含めたモノなんだと思います。

というのも小糸は今まできっと、受け身で流されることが多かったのだと思います。

勉強で例を挙げるなら、幼馴染みと同じ中学に通いたかったけれど、親の意向に逆らえず中学受験を受けさせられて、そのためにただ勉強をして、ずっと「何か」を待ってしまっていたのでしょう。そんな後ろめたい受け身な自分のことを「ゆううつな受動態」とタイトルで表現しているのだと思います。

 

そして小糸はその決意をプロデューサーに打ち明けます。

ここのプロデューサーの受け答えの選択肢がどれも良いんですよね。(個人的に一番好きなのは「やっぱりすごいよ」です)

小糸の理解者であろうとしつつもそれを伝えていきたいというまさにプロデューサーたる正統派な感じがとても好感持てちゃいます。やっぱりプロデューサーさんはオタクには厳しい気がしますね。

 

そしてGRAD優勝宣言……このことをきっと家で1人で考えて、「自分には大それてるかな…でもやろう。」って決めてるんだと思うと愛しくて仕方ないですよね。

「いつかとべるように」の漠然とそこに結果を残さないといけない焦燥感に駆られている小糸はいなくて、自分のなりたいアイドルのためにこのGRADを優勝しようとする小糸がそこにいるのだと思います。

小糸にとってGRADを優勝することは「結果」ではなく「過程」で、自分で決めて目指す目標のための道にすぎないのでしょう。

前のコミュまでには感じられなかった小糸自身の変化がこのコミュにはあってここまでフッてたんだなぁってなってました。

 

やれるぞ…小糸……!

 

 

 

 

 

GRAD決勝

の前の敗者復活戦ですが、ここめちゃくちゃ良いですよね。

 

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いやぁ〜全オタクこのシーン好きになるだろ…。「お互いに知っていること」を知っているということ、それがどれだけ心強いか、、、。

てか敗者復活勝利後なんて実質TRUE ENDみたいなコミュしてるの腹立ますよね(?)

小糸〜〜〜〜〜〜〜!って感じだしマジでGRAD負けられんとなった思い出があります。

 

続く決勝

決勝前のセリフでも、優勝してもさほど目標としているアイドルに近づけるわけでないことを理解しているんですよね。

優勝という結果や他者からの評価も重要だけど、もっと大切なのは自分自身の成長で、自分の意思でなろうとすることなのですよ…!(たぶん)

そして優勝後のこのセリフ

 

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すごく感情が詰まっていてめちゃくちゃ良いんですよね。

少し寂しそうで、でもやり遂げた感動とか喜びも混ざっているようなこの声色が本当に良い。

 

敗北後のセリフは、しっかり負けてるんですけど、「次」を見据える二人の会話は安心して聞いてられます。

じゃあ次どうするか、そうやって転んでも立ち直る速度は早いんですよね、3人に追いつこうと必死に前を向いて頑張ってきた小糸なら大丈夫だとそう思えます。

 

 

 

 

すこしだけはねて

本当に大して変わらないってところがノクチルっぽさを感じさせてくれて良いですね。

とはいえ挨拶したディレクターが自分の名前を知っているという変化は確実に起きていて、前に進めている証も確かに存在しました。自分で考え行動して成し遂げたGRAD優勝で、その成果が出ることが小糸にとって自信につながると思います。

 

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そして来てほしいと言われた仕事に対しても、2人で考えて答えを出そうとする姿勢が本当に素晴らしい。序盤では仕事を即決していたけれど、こうやってがむしゃらに焦ることもなく次はどうしようかと考えている2人を見ているだけで幸せです。

まだ空を飛ぶには時間がかかるのかもしれないけれど、徐々に彼女はとべるようになっていくんですよね…。

最後の笑顔、マジでオイッッッッッ!!!ってなるくらいにそりゃあまぶしくて仕方がない……。

てか本編中たぶん一度も「よゆーです!」とか言ってないの素敵すぎましたね。

 

 

 

 

最後に

ここまで読んでくれたオタク、ありがとうございます。自分でそこそこちゃんと書いたつもりなので駄文とか言わないですけど、それでも拙い文章になっているとは思うのでマジで感謝です。

こうやって改めてコミュをじっくり読み解くと本当に面白いですよね。「なんでここはあーだったんだろう」とか思う人は、こんな浅瀬考察とは比にならないくらい考察している方もいるはず(たぶん)(深そうなのはめっちゃあった)(ちゃんと読んでない)なので、そちらを読んでください。自分も暇だったら読みます。

そういえばソロ曲とGRADの感じが全然違うという意見を見かけましたが、ソロ曲は小糸のコンセプトって認識だったのでそういうのもあるんだなと思いました。

久々にこういうブログ書いているので叩かれないか不安です。1人のオタクの一見解なので「ふーん」で見逃してください。

てか次の新曲楽しみですね、ジャケット何気に小糸センターだし。LPも来るしPカップも来るしリリイベ行きたいしで色々ありますが全部楽しみですね。それでは。